ECサイトの制作・運営費用の相場は?注意点もあわせて解説(1/2)

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インターネット消費が増加し続ける中、ビジネス拡大のために自社でECサイト作成を検討するケースは多いはず。とはいえECサイトを構築する料金はいくら必要なのか、運用費はどのくらいなのか、よくわからず迷われる場合もあるでしょう。そこで今回はECサイトの制作費用や運用費の相場、注意すべきポイントなどをあわせて解説します。

ECサイトの制作費用は?

ECサイトの制作費用(初期費用)はECサイトの規模やサイトに組み込む機能、制作方法によってかなり変わります。特に金額の差に大きく関わってくるのが制作方法です。

別記事でも紹介しましたが、自社で独自のドメインを取得してECサイトを制作・管理・運営する場合、大きく分けると「ASP」「オープンソース」「パッケージ」「クラウドEC」「フルスクラッチ」の5種類の方法があります。

構築方法ASPオープンソースパッケージクラウドECフルスクラッチ
メリット簡単に作成可能スキルがあれば無料で作成可能基本的なアプリを自由にカスタマイズASPとフルスクラッチのいいとこどり独自性のあるサイトが作成可能
デメリット機能の拡張性がないセキュリティ上の課題があるシステムの更新やリニューアルに費用がかかるソースコード非表示につき自社運用が難しい莫大な費用と時間がかかる
コスト初期・月額費用ともにそれぞれ10万円以下で収まる初期費用無料、月額10万円以上初期費用500万円以上、月額10万円以上初期費用300万円以上、月額10万円以上初期費用で数千万円以上、月額数十万以上
おすすめコストを抑えたい小規模事業主中規模~大規模事業主中規模~大規模事業主中規模~大規模事業主サイトにこだわりたい大規模事業主

このほか自社でECサイトを作成するのではなく、楽天市場やAmazonのようなECモールに出店する方法もあります。他社との差別化が難しくなるものの初期費用は低く、10万円以下が相場となっています。ただし、別途テナント出店料や運営側に支払うロイヤルティなどランニングコストが一定以上必要になるので注意しましょう。

初期費用が無料なものも!手軽に始めるならASP

それでは、自社でECサイトを構築する場合のコストを見ていきましょう。このうち一番手軽にできるのが、インターネット経由でECサイトに必要なプラットフォームをレンタルしてサイトを構築する「ASP」。「BASE」や「STORES」「Shopify」「カラーミーショップ」等がこちらにあたります。初期費用が無料なものもあり、多くても大体10万円程度見積もっておけばよいかと思います。

ASPはコストパフォーマンスがよく、基本的な機能もそろっています。テンプレートやデザインもある程度好きなものを選べますよ。気になるシステムのアップデートはASPを提供する会社が無料でやってくれます。なお、サービスによっては会社で利用するシステムと互換性がない場合があるので注意しておきましょう。ASPはECサイト初心者や、費用を節約したい場合におすすめです。

スキルがあるならオープンソース! 10万円~と費用も手ごろ

続いてはオープンソースです。インターネット上に一般公開されている無料のソースコードを使ってECサイトを構築する方法で、デザインやシステムをカスタマイズし、オリジナリティのあるECサイトが構築できます。「E-CUBE」や「Magento」「PrestaShop」などがこちらにあたります。

構築費用は10万円~500万円程度。作成するには専門的な知識が必要なため、人材が社内にいれば自社で管理・運営ができ、費用もかなり抑えられます。制作会社に依頼し大規模な開発をすると500万円超になることもあるので注意しましょう。

また、ソースコードが無料な反面、問題が発生した場合、運営サポートが受けられない可能性があります。他の方法と比べるとセキュリティのリスクが高いので、セキュリティ対策はしっかりしておきましょう。

なお、オープンソースの場合、各種カスタマイズをすることで機能追加が可能です。セキュリティ対策も含めてオープンソースは使い方次第で自由度が増します。

カスタマイズ性の高いパッケージは500万円前後から

ECサイトを構築・運営するための基本的な機能が含まれた市販のパッケージ商品を購入し、サイトを作る方法が「パッケージ」です。カスタマイズ性が高く、大規模なECサイトの構築も可能です。「SI Web Shopping」「ecbeing」「EC-Orange(Orange EC)」などがあります。

構築費用はパッケージにもよりますが、だいたい500万円前後からを見ておけばよいかと思います。ベンダーに開発を依頼するので費用はかさみますが、その分満足度が高いものができるはずです。

ハイブリッド型の「クラウドEC」は300万円から

クラウド上の共通プラットフォームに置かれたECサイトに必要な機能をユーザが利用してECサイトを管理・運用する方法です。ASPカートよりもカスタマイズしやすく、フルスクラッチよりも値ごろ感があります。

パッケージと違って自動的にシステムがアップデートされる点も魅力的です。構築費用は300万円程度からを見ておきましょう。

ゼロから作る「フルスクラッチ」は数千万円以上

最も自由度が高く、なおかつ高額なのがゼロからオリジナルシステムを作成するフルスクラッチ。なんでもカスタマイズOKで、特殊な機能も実装できる素晴らしさですが、構築費用は数千万円以上と高額。フルオーダーメイドなので開発する時間もかかります。

このレベルになると大企業の巨大ECサイトをイメージしていただければ良いかと思います。理想といえば理想ですが、なかなか手が出せないのも現状です。

ECサイトのランニングコストとは

自社サイト型でECサイトを構築した後はいよいよオープンしてお客様に商品を販売開始するだけ!と思いがちですが、ちょっと待ってください。ECサイト運営にはある程度ランニングコストが必要です。

ランニングコストとして挙げられるのは、大きくわけると以下の通り。

ランニングコスト費用(年間)
サーバー費用500円~1万円
ドメイン費用500円~6000円
SSLサーバー証明書無料、または年間1万2000円~9万円
決済代行会社の契約料、手数料初期費用5万円前後、年額固定費用6万円前後手数料:売上の3~5%
ASPカートシステム利用料年額3万6000円〜120万円

このほか、商品の梱包材費用や配送料、広告・マーケティング費用や人件費(またはECサイト運営会社外注費)などが必要になってきます。

サーバーの維持費とドメイン費用

レンタルサーバーを利用するECサイトの場合、年間かかる金額は500円から1万円とさまざまです。値段の差はセキュリティ対策のレベルやサポート費用によります。自社サーバーを利用する場合は構築費用の10%から15%程度を見ておきましょう。

インターネット上での住所に当たるドメインは、自社サイトとは別にECサイトを立ち上げる際に取得必須の項目です。ドメインの登録・維持費の目安は年間500円〜6000円。金額はドメイン管理会社によって異なりますし、レンタルサーバーによってはドメインの無料・割引特典を用意している場合もあります。レンタルサーバーと合わせて検討しましょう。

SSLサーバー証明書は必須のセキュリティ対策

SSL(Secure Sockets Layer)とは、インターネット上でのデータ通信を暗号化して送受信させる技術や仕組みのことです。個人情報を多く扱うECサイトで重要なセキュリティ対策として、SSLは必須といえるでしょう。費用は年間で1万2000円から9万円程度必要になります。

SSLを使用しているサイトの場合、URLの冒頭が「https」になるとともに、インターネットブラウザのURLの横に鍵のマークがでます。一方使用していないと、たとえばGoogle Chromeでは「保護されていない通信」と注意書きが出てしまうので、ユーザが不安に思うかもしれません。ユーザに安心してサービスを利用してもらうための手段の1つとして、SSLを導入しておきましょう。

また、Googleは安全性を考慮し、SSLを使用しているサイトを優遇表示していますので、SEO対策の観点からもSSL化は重要です。

決済代行会社の契約料や手数料とは?

決済代行会社とは、事業者に代わって決済業務を代行し、売上管理などもしてくれる会社です。決済代行会社と契約すれば、クレジットカードをはじめ、さまざまな決済方法が一度に利用できるようになります。

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栗本奈央子
執筆者:栗本奈央子
主にウェブメディアのライティングを担当。旅行、ライフスタイル、IT分野などの記事を執筆。

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