ECサイトの作り方!初心者が新しく作るための基本情報を解説(1/2)
EC近年ネットショッピングの活発化でECサイトが続々と増えています。EC事業への参入を検討しはじめているという企業やお店舗も増えてきていることでしょう。そこで今回は、ECサイトに参入を検討している初心者向けに、ECサイトの種類や実際に開設するまでの流れをわかりやすくご紹介します。
ECサイトとは?
ECサイトのECは「Electronic Commerce」、つまりEコマース(電子商取引)のことを指します。ECサイトはネットショップやオークションサイト、コンテンツ配信サイトなどいくつか種類がありますが、まとめると「インターネット上で買物ができるウェブサイト」ということになります。
ECサイトは、大きく分けて「モール型」と「自社サイト型」の2種類に分類できます。モール型というのは、楽天市場やAmazonなど、同じドメインのサイトに複数の店舗が出店している、いわばネット上のショッピングモールです。
1.モール型の種類は?
モール型には楽天市場のように、出店者が自社ページを作成して自ら運用・管理する「テナント型」と、Amazonのように自社ページを作らず商品を登録するだけの「マーケットプレイス型」、出店者ではなく運営元が各出店店舗を管理・運営する「統合管理型」があります。統合管理型はセレクトショップをイメージするとわかりやすいですね。
モール型の魅力は集客力の高さ。楽天、Amazonといったブランド力で顧客を引き付けます。サイトを構築しないので初心者でも簡単にEコマースを始められるのもメリットです。自社ページの構築・開発費用もそこまでかかりません。
一方で、出店料や月々の固定費・販売手数料を運営会社に支払う必要があります。消費者が同じモール内で他社の商品と比較してくるため、価格競争に陥りやすいというデメリットもあります。
また、プロモーション方法が限定的であること、モールのブランド力が強すぎて出店者がブランディングしにくいことが課題として挙げられます。加えて、顧客情報は原則モールの運営会社が管理しているため、顧客に直接アプローチしにくいですし、細かなマーケティングには不向きです。
2.自社サイト型とは?
自社サイト型は、自社で独自のドメインを取得し、ECサイトを作成・管理・運営する手法です。0からすべて構築するので、独自性の高いサイトを作成できますし、デザインや機能もECモールより自由度が高いのが特徴です。
運営会社に支払う固定費用や販売手数料もなく、他社と簡単に比較されることもないので利益率が上がります。もちろん最初にECサイトを構築する際の初期費用は一定程度(こだわるのであればかなり)必要ですが、リニューアルしない限りその後のメンテナンス費用等はほとんどかかりません。
顧客情報を得ることができるため、リピーター化をめざすにはモール型より自社サイト型の方が適しています。もちろん詳細なマーケティングも可能。さらに、広告展開やSNSの活用、キャンペーンなどは自分のペースで進められます。
一方でECサイト構築に時間が必要な点、集客の難しさ、運営の手間などがデメリットとして挙げられます。ある程度会社名やブランド、商品名が知られているのであれば、自社サイト型がおすすめです。
3.両方利用する場合も
2種類のECサイトを紹介しましたが、どちらもそれぞれのメリット・デメリットが存在しています。どちらかを選ぶのも手ですが、予算次第ではあるものの、両方を運用するのもおすすめ。集客力の高いモール型で商品を販売し、ブランディングと顧客のリピーター化は自社サイトでおこなう、というのも一つの手段として有効です。
サイトを構築する手段
サイトを構築する手段はさまざまです。モール型の場合は、出店店舗を増やすための施策として運営会社が基本的なパッケージを用意していますし、ページ作成のサポートや代行会社の紹介もしています。このほか店舗の管理や運用、販売促進などについてもサポートしてくれるので便利です。
一方、自社サイト型の場合はいくつかの構築方法があり、適したものを自ら選択する必要があります。
構築方法 | ASP | オープンソース | パッケージ | クラウドEC | フルスクラッチ |
メリット | 簡単に作成可能 | スキルがあれば無料で作成可能 | 基本的なアプリを自由にカスタマイズ | ASPとフルスクラッチのいいとこどり | 独自性のあるサイトが作成可能 |
デメリット | 機能の拡張性がない | セキュリティ上の課題がある | システムの更新やリニューアルに費用がかかる | ソースコード非表示につき自社運用が難しい | 莫大な費用と時間がかかる |
コスト | 初期・月額費用ともにそれぞれ10万円以下で収まる | 初期費用無料、月額10万円以上 | 初期費用500万円以上、月額10万円以上 | 初期費用300万円以上、月額10万円以上 | 初期費用で数千万円以上、月額数十万以上 |
おすすめ | コストを抑えたい小規模事業主 | 中規模~大規模事業主 | 中規模~大規模事業主 | 中規模~大規模事業主 | サイトにこだわりたい大規模事業主 |
1.ASP(Application Service Provider)
インターネット経由でECサイトに必要なプラットフォームをレンタルしてサイトを構築する方法です。既存の枠組みを利用するので、安価でサイトが構築できます。初期費用が無料なものもあり、手軽に利用できる点が大きなメリットです。費用感としては月額数万円程度から。システムアップデートも無料なので、更新費もかかりません。
ただしデメリットもあります。他ユーザと共通のアプリケーションを使っているため、個別にカスタマイズすることができず、自由度はあまり高くありません。また、会社のシステムと互換性がない場合があるので、利用する前にあらかじめ確認しておきましょう。
ASPは低コストを重視するスタートアップや小規模店におすすめのプラットフォーム。また、スタートアップなどでは最初はASPからスタートし、事業拡大に伴いほかの方法でサイトをリニューアルするケースが多く見られます。
2.オープンソース
インターネット上に一般公開されている無償のソースコードを使ってECサイトを構築する方法です。専門的な人材が社内にいれば自社で管理・運営ができるので、費用がかなり抑えられます。もちろん自由にカスタマイズできますし、Wordpressを導入しECと連携するといった、他サービスとの連携も可能です。なお、自社に対応できる人材がいない場合は、コストはかかるものの外部委託をするのもおすすめです。
オープンソースのデメリットは、ソースコードが無料公開されているため、他の手法よりもセキュリティのリスクが高いこと。セキュリティ対策はしっかり実施したうえで利用しましょう。
3.パッケージ
ECサイトを構築・運営するのに必要となる基本的な機能が含まれたパッケージ商品を購入してサイトを作る方法です。フルスクラッチよりも値段が安く、短期間でECサイトを開設することができます。自由度もかなり高く、オリジナルのカスタマイズによりサイトの独自性が高まります。特に近年はフルスクラッチ並みに拡張性の高いパッケージも出てきており、人気が高い方法です。
デメリットは初期費用が高い(平均数百万)こと、システムが自動更新されないため数年ごとにサイトを更新する必要があること。フルスクラッチほど予算は取れないにしろ、費用に余裕がある企業におすすめです。
4.クラウドEC
こちらはクラウド上で共通プラットフォームを活用しながらECサイトを管理・運用する方法です。クラウドなので自社サーバーはいらず、システムはいつも最新情報にアップデートされています。さらに必要な機能をカスタマイズすることも可能。ASPとフルクラッチの良いとこどりをしたハイブリット型です。
とはいえこちらにもデメリットがあります。クラウドEC型ではソースコードの開示がされていないので、自社で運用するのには向いていません。外部委託が前提です。
5.フルスクラッチ
ASPとは逆に、予算をしっかりかけて独自のサイトを作りたい場合は、ゼロからシステムを構築するフルスクラッチ型がおすすめ。要するにフルオーダーメイドで、自社の既存のシステムと合わせた構築も可能です。ビジネスの拡大に伴う機能の追加・拡張も柔軟に対応でき、メンテナンスや運用変更についても自社で対応できます。
自由自在に作れる反面、当然費用は高くなります。予算は最低1000万円以上を見ておいた方がよいでしょう。また、開発する時間もかなりかかります。こうした点から巨大なECサイトを構築する際に見られる手法です。
ECサイト開設はどうするの?流れを紹介
それではいよいよECサイト開設の流れを紹介していきます。
1.ECサイトのコンセプトを決める
まずは前提となるECサイトのコンセプトを決めましょう。目的や取り扱う商品、ターゲット層などを明確にし、その上でどのようなサイトを構築するのか、具体的に動き出す前にしっかり議論して固めておく必要があります。
- 執筆者:栗本奈央子
- 主にウェブメディアのライティングを担当。旅行、ライフスタイル、IT分野などの記事を執筆。
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