ECサイトの制作・運営費用の相場は?注意点もあわせて解説(2/2)

EC

決済代行会社はしっかりしたセキュリティ体制を構築しているので、個人情報の漏洩を防ぐのに適切。システムの保守なども実施してくれますし、入金サイクルを一本化できるといったメリットもあります。

決済代行会社に支払う費用は会社によってさまざま。決済手数料・取消処理手数料のみかかる場合と、初期費用や月額の固定費用、決済データを決済機関に転送するためのトランザクションフィーがかかる場合があります。

一般的には初期費用は5万円前後、年額固定費用は6万円前後、手数料は売上の3~10%程度となっていますが、会社によりプランもさまざま。利用したい決済方法が多ければ多いほど費用もかさみますので、各社で利用できる決済方法を確認しながら比較・検討しましょう。

ASPカートシステムの利用料

ECサイトでは、ショッピングカート機能を提供するソフトウェア「ASPカートシステム」の利用料も必要になります。もちろん自社開発可能ですが、かなり費用が掛かるので、コストパフォーマンス的にはASPカートシステムを利用するのがおすすめです。費用は年間3万6000円~120万円程度を見ておきましょう。料金の差は提供する機能の差だとお考え下さい。「BASE」など月額料金が無料のケースもありますが、機能が制限されています。

また、3000円~1万円程度の初期費用が必要な場合もあります。

構築方法別のランニングコストは?

以上を踏まえて、先ほど説明した構築方法別でランニングコストを見てみましょう。

構築方法ランニングコスト
ASP10万円以下
オープンソース10万円~50万円
パッケージ30万円~100万円
クラウドEC10万~100万円
フルスクラッチ100万円~

ASPの場合、ランニングコストは10万円以下とかなり抑えられます。このため小規模の企業やコストセーブしたい企業、ECサイトを初めて開設する企業などおすすめです。

パッケージやクラウドECについては自由度が高く機能が増えますし、委託先の保守管理、サポートを受ける分料金が高くなります。

オープンソースは使用料などがからない反面、自社開発が難しく他社に委託し、その後もオープン後の保守を委託するケースが多いので、ケースバイケースで料金に変動があります。フルスクラッチの場合は大規模なECサイトになることが多いので、その分保守管理するための人件費も増えます。

ランニングコストは構築方法によりさまざまですが、どの構築方法でもコストセーブのために抑えておくべき重要なポイントがあります。それが「必要な機能を明確にして取捨選択する」こと。あれもこれもやりたい、と増やしていくと保守管理費やシステム利用料がどんどん増えていきますし、かといって必要最低限にしてしまうと追加開発費用がかさむことになります。サイト構築後の費用がかさむと利益に影響を与えますので、きちんと必要・不必要を見極めてからサイトを構築しましょう。

集客方法にもコストをかけよう!

開発費にランニングコストと、ECサイトの構築・運営にはお金がかかります。投資した分リターンを求めるのは当然ですが、ECサイトを継続して運用し、利益を出していくためには広告・マーケティングが重要です。

ECサイトをオープンし、ランニングコストをかけ続けているだけではお客様はやってきません。お客様を呼び込む仕組み、それが広告・マーケティングです。オンライン広告やSEO対策などで集客するための仕組みづくりをしましょう。

楽天市場やAmazonのようなECモールに出店した場合、モール自体の認知度の高さやSEO対策などで一定程度の流入が見込めます。また、各モールで広告プランやメールマガジン等があるので広告・マーケティングの基盤はしっかりしています。

しかし、自社でECサイトを作成する場合は、自分たちで集客をしなければならないので広告・マーケティングの重要度はより高まります。予算を組んで定期的に取り組む必要があるでしょう。マーケティング会社に代行する手段もありますが、その場合はコンサルティング料や手数料等が必要になります。集客にしっかり取り組み、ECサイトを成功させましょう!

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栗本奈央子
執筆者:栗本奈央子
主にウェブメディアのライティングを担当。旅行、ライフスタイル、IT分野などの記事を執筆。

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