EC-CUBEとは? カスタマイズや基本情報、使い方、料金について(1/2)

EC

ECサイトを作成しようと考えたとき、よく目にするのが「EC-CUBE」。日本企業による国産オープンソース型ECサイト構築パッケージです。2010年には独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査」にて「国内シェアECオープンソースシステムNo.1」の称号を獲得しており、推定稼働店舗数は3万5000超という、日本を代表するECサイト向けオープンソースとなっています。今回はそんなEC-CUBEについて、特徴やサービス内容、利用方法、料金、メリット・デメリットなどを分かりやすくまとめて紹介します。

EC-CUBEとは

EC-CUBEは株式会社イーシーキューブが提供するEC構築オープンソースです。2006年9月にリリース以降、国産オープンソースとして多くの企業に活用されており、ダウンロード数は180万超となっています。ECサイトの運営や構築に無料で利用でき、自由にカスタマイズできるほか、テンプレートも豊富に用意。プラグインにより機能を付け加えることも可能です。最新バージョンは2023年6月28日に提供を開始した「EC-CUBE4.2.2」で、セキュリティ強化機能が実装されています。

EC-CUBEは大手から中小まで様々な企業のECサイトに活用されており、「ドン・キホーテ」や「丸善&ジュンク堂書店」のECサイトでも利用されています。利用者のコミュニティも多いほか、対応できる制作会社も豊富なのが特徴です。

2019年2月にはEC-CUBEのSaaS版となる共創型クラウドECプラットフォーム「ec-cube.co」もリリースしています。

EC-CUBEでできること

EC-CUBEではECサイトを作る際に必要な基本的な機能がすべてそろっており、無料でダウンロード可能です。機能は大きく分けて「構築・デザイン」「カート・会員機能」「商品管理」「店舗管理」の4つ。公式サイトを参照しつつ詳しく見ていきましょう。

構築・デザイン
EC-CUBEではデザインのカスタマイズの自由度が高いのが特徴です。ページの作成・管理機能やレイアウト管理、ブロック単位のコンテンツ作成などが可能であるほか、オリジナルのデザインテンプレートが作成できます。専用のデザインテンプレートを利用すれば簡単にプロのデザインが適用できますよ。デザインのテンプレートは約80種類。無料のものから20万円超のものまでさまざまです。
このほか、スマホ専用のサイト機能や、開発のためのデバックモードも搭載。プラグイン機能を使えば、350種類以上の拡張機能を手軽に実装できます。
カート・会員機能
基本的なショッピングカート機能に加え、配送時間の指定や支払方法の選択、商品一覧カートの追加、商品購入時のポイント付与・消費しての購入機能など便利な機能が揃っています。会員機能についてはマイページやお気に入り機能に加え、会員登録しなくても購入できる「非会員購入機能」やお問い合わせフォーム機能も完備しています。
商品管理
商品管理については基本の検索・登録機能に加え、カテゴリ・タグなどの管理機能も充実。サイズや色の規格登録や在庫情報登録、一度の注文で購入できる商品数を絞る「販売制限」機能などがあります。また、商品一覧画面で公開・非公開・廃止・削除の機能を一括でできる「商品一括変更機能」のほか、商品情報やカテゴリ情報のCSV出力・登録も可能になる便利な機能もありますよ。
店舗管理
受注・売上状況の管理、対応状況の確認が可能。顧客情報の登録・編集機能、出荷メールをはじめとしたメール管理、納品書のPDF出力や受注・配送・顧客情報のCSV登録もあり、店舗が効率よく管理できます。店舗情報ページの作成や会員規約、支払情報、手数料などの基本情報の設定や、新着情報の管理やポイント付与率の設定なども可能です。
プラグイン
公式ストアでは350種類以上の拡張プラグインを用意。決済、デザイン、機能強化、集客、顧客管理・販促、セキュリティまでさまざまなものがそろっており、無料のものだけでも「Amazon Pay」をはじめとした決済や商品レビュー管理、クーポン発行、売上集計、メルマガ管理プラグインなど便利なものが多いです。プラグイン販売サイトは必ずチェックし、必要なものは利用しましょう。

EC-CUBE のSaaS版「ec-cube.co」とは?

株式会社イーシーキューブではEC-CUBEを無料で提供している(ダウンロード版)以外に、クラウド版の有料ECプラットフォーム「ec-cube.co」があります。クラウド版はセキュリティ対策にサーバ保守、独自ドメイン設定にテスト環境などの提供がセットになっており、メンテナンスフリーで利用可能。スモールスターターや売り上げ見込みが分からない人向けの「Liteプラン」と、制作・開発会社と運用を予定している人向けの「Standardプラン」があり、月額6,800円から利用可能です。

プラン名LiteプランStandardプラン
月額システム使用料6,800円~
※販売額が50万円超過で+超過分×1.3%
49,800円~84,000円
※販売額300万円超過で+超過分×0.5%、1,000万円超過で84,800円
初期費用無料70,000円
決済手数料別途契約別途契約

LiteプランはEC-CUBEの基本機能に加え独自ドメインやサーバのメンテナンス、商品登録無制限などのサービスを追加しています。さらにセキュリティ対策として常時SSL化、ファイアウォール、セキュリティパッチの自動適用、管理画面のIP制限や不正リクエストに対する監視なども実施しています。

StandardプランはLiteプランに加え、カスタマイズディレクトリやテンプレートディレクトリの開放、運営者が管理画面を編集したとき開発者が利用するバージョン管理システムGitに自動で連携される仕組み、テスト用のステージング環境の提供、エラーログの取得などの特典があります。

また、両プランの月額料金を比較した場合、販売額(消費税や送料等手数料込みの売上)が月額450万円未満はLiteプランがお得ですが、450万円になるとLiteプランが58,800円、Standardプランが57,300円となり、Standardプランのほうがお得になります。また、Standardプランは月商1,000万円以上の場合、システム利用料は84,800円に固定されていますが、Liteプランは値上がりし続けるため、売上規模を見ながらどちらのプランがよいか検討する必要があります。

ec-cube.coは面倒なメンテナンスがいらず、セキュリティ対策もされておりサーバ保守もばっちり。手間をかけたくない方にはおすすめの製品ですが、Liteプランについては2023年7月20日時点では新規受付を停止中で、ec-cube.coの導入を検討している場合は担当者に問い合わせする必要があります。理由としては「新サービス準備のため」。新しいサービス内容の公開が待たれるところです。

EC-CUBE・ec-cube.coのメリットとは?

続いてEC-CUBEやec-cube.coを導入するメリットについて解説していきます。

この記事には続きがあります

栗本奈央子
執筆者:栗本奈央子
主にウェブメディアのライティングを担当。旅行、ライフスタイル、IT分野などの記事を執筆。

「ECサイトをより便利にしたい」「もっと集客したい」ECカスタマイズはお任せください