ECサイトのリニューアル、失敗しないために必要なことは?(2/2)

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制作会社とはしっかりとコミュニケーションをとり、ゴールを共有しておきましょう。現在のECサイトの業務フローなどの現状を伝え、そのうえで改善すべきこと、そのために必要な機能は何か、それに基づくサイトデザインはどのようなものなのか、ディスカッションすることが重要です。経験豊富な制作会社の知見をうまく活かしましょう。

話し合いでそれぞれの要件定義書を作成したのち、制作会社は新サイトのサイトマップや、デザインやレイアウトの設計図「ワイヤーフレーム」を作成。その後、発注側と制作側でさらにすり合わせを進め、具体的なデザインに落とし込んでいきます。

成功のポイント⑥制作状況はマメに確認を

すべてが決まればいよいよ制作会社がリニューアルに取り掛かりますが、発注側の仕事はここで終了…ではありません。定期的にミーティングを開き、発注側と制作側がコミュニケーションをとって情報を共有することが重要です。目標に向かって正しく進んでいるか、何か問題はないか、マメに確認することが成功の秘訣。出てきたものに対する違和感や分からない点があったら制作会社に率直に聞きましょう。

成功のポイント⑦リニューアルオープンの準備はしっかりと

制作会社の制作と並行して実施する必要があるのが、リニューアルオープンの準備です。主に注意すべき点は以下の3点。漏れがないように進めましょう。

1.運用ルールを決める
リニューアルの場合、バックヤードの運用方法に変更がある場合が多いです。管理者側の現場の人間がきちんと対応できるよう、事前に運用マニュアルを作成し、リニューアル前に社内で共有しておきましょう。リニューアル後スムーズに顧客対応するためには必ず準備しておくべきことです。
2.データ移行の準備を行う
システムのリニューアルを伴う場合、商品データや顧客・会員データ、受注データ、記事をはじめとしたコンテンツデータなどを現在のシステムから新システムに移行させる必要があります。事前に移行方法や必要となる作業、注意点などを確認しておきましょう。
特に現在のサイトと新サイトでフォーマットが違う場合、商品の画像のサイズが異なるためそのまま移行できない、などの問題点が発生します。どの程度の作業負担が必要かはあらかじめチェックし、スムーズに移行できるよう心がけましょう。
3.システム連携先との状況確認
リニューアル後も外部のシステム連携先としっかりデータが連携できるか、特に顧客管理・在庫管理システムなどとの連携に問題がないかの確認は必須ポイントです。

成功のポイント⑧売上を激減させないための「リダイレクト」

サイトリニューアルを実施した直後は、よくアクセス数が低下し、売上も落ちます。なぜなら、サイトリニューアルの際はドメインやURLが変わることがよくあるから。新サイトは旧サイトの被リンク・ブックマークなどは引き継げませんから、Googleをはじめとした検索エンジンからの評価が落ち、検索順位が低下します。また、何もしないと旧サイトをブックマークしていたユーザは新サイトにたどり着けなくなります。

旧サイトのユーザを新サイトに確実にアクセスできるようにするために必要なのが「リダイレクト」の設定。恒久的な転送を意味する「301リダイレクト」設定をしておけば、旧サイトから新サイトにSEOの評価を引き継ぐことができます。なお、リダイレクト先はすべてトップページにするのではなく、きちんと対応するページにすることが重要です。

また、URLに関してはSNSやメールマガジンに記載されているURLを適宜新しいものに変更するとともに、内部リンクのリンク切れに注意しましょう。新サイトのリリースと同時に可能な限り変更できるよう、あらかじめ準備しておきましょう。

成功のポイント⑨テスト運用・告知・成果検証を忘れずに

新サイトが完成したら、リニューアルオープン前にテスト運用を実施します。データの移行は適切に完了したか、外部システムとの連携は問題ないか、商品の選択から購入まで問題なくできるか、バックヤードがきちんと運用できるかなどを試しましょう。リダイレクト設定やリンク切れ等も一通り確認しておきましょう。

問題がないのであれば、リニューアルしたECサイトを公開…するまえに、既存顧客への告知を忘れずに。公開前、公開後にプレスリリースやメールマガジン、Web広告などを活用して広く告知することを推奨します。また、リニューアルはキャンペーンを実施するチャンス!特にアンケートを取るのには最適なタイミングですから、あらかじめ用意しておきましょう。

公開から一定程度たったらリニューアルの成果検証をするのを忘れずに。目的・目標は達成できているのかを確認し、必要に応じて修正を進めていきます。

リニューアルをすればバラ色の未来が訪れるわけではありません。ECサイトのリニューアルはユーザの混乱を少なからず招きますし、使い勝手に慣れるまでは時間がかかります。リニューアル後、すぐに目的・目標が達成できるのではありません。長期的な視点をもって進めていきましょう!

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栗本奈央子
執筆者:栗本奈央子
主にウェブメディアのライティングを担当。旅行、ライフスタイル、IT分野などの記事を執筆。

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