WebP・AVIFは本当に正解か|軽さと引き換えに失われるもの
HTMLWebパフォーマンスの文脈では、次世代画像フォーマットとして「WebP」「AVIF」の利用が推奨されています。PageSpeed Insightsでも「画像配信を改善する」の改善項目として表示されます。そのため実務では、「とりあえずWebPにする」という対応が広く行われています。
しかし、この判断は本当に正しいのでしょうか。
「軽い=正義」という前提
WebPやAVIFが評価される理由は明確です。
- JPEGより軽い
- 通信量が減る
- LCP改善につながる
つまり、「軽い=速い=良い」という考え方です。これは間違いではありません。ただし、重要な前提が抜けています。それは、画質とのトレードオフです。
画像圧縮の本質
WebPやAVIFは、いずれも不可逆圧縮を前提としたフォーマットです。不可逆圧縮とは、データを削ることで軽量化する仕組みです。
このとき削られるのは、以下のような人間の目に「影響が少ない」と判断された情報です。
- 細かいディテール
- 微妙な色の差
- ノイズ情報
つまり、軽くなるのは、情報を捨てているからと言えます。
JPEGとの違い
JPEGも同じく不可逆圧縮ですが、WebP・AVIFとは思想が少し異なります。簡単に言うと、「JPEGは見た目の自然さを重視」対して「WebP / AVIFは圧縮効率を重視」です。
そのためWebPやAVIFでは、より積極的に情報が削られる傾向があります。結果として「軽い、しかし画質は変化する」という状態になります。
「気づかない劣化」が起きる
ここで重要なのが、劣化は必ずしも分かりやすくないという点です。例えば、次のように同じ圧縮でも、影響の出方が異なります。
- 写真 → 違和感が少ない
- UI画像 → ぼやける
- テキスト入り画像 → にじむ
そして多くの場合、「なんとなく違う」程度で気づかれないことが多いです。
なぜ問題になりにくいのか
この問題が見過ごされる理由はシンプルです。評価基準が「数値(PSI)」中心だからです。
- 点数が上がる
- 軽くなる
- 改善したと判断される
しかしその裏で、画質が落ちている、ブランドイメージが損なわれているという可能性も考えられます。
すべてWebPにすれば良いのか?
実務でよくあるのが、すべての画像をWebPに変換するという対応です。これは一見合理的ですが、用途の違いを無視した設計です。画像にはそれぞれ役割があります。
- 写真
- 商品画像
- UIパーツ
- テキスト画像
それぞれに求められる品質は異なります。画像ではなくテキストとCSSで代替できるものもあります。
WebP・AVIFは“手段”であって目的ではない
ここで一度立ち止まる必要があります。軽くなり点数が上がっている、それは確かに事実です。しかし、ユーザーにとって良い状態でないという場合もあります。
WebPやAVIFは、確かに優れたフォーマットです。ただし重要なのは、軽さは「情報を削った結果」であるという点です。
画像最適化は、単に軽くすることではありません。品質とパフォーマンスのバランスを取ること、これが本質です。WebP・AVIFはそのための手段であり、目的ではありません。

- 執筆者:西部俊宏
- 株式会社Webの間代表取締役。上場企業でのSEOやWebサイト構築実績多数。ECサイトのカスタマイズ経験も多数あり。
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