ECにとってページスピードは“売上戦略”だ|Core Web Vitalsの先にある視点
ECCore Web Vitalsは、ユーザー体験を数値で把握するための有効な指標です。しかし、ECサイト運営者にとって「体験の改善」は目的の一部にすぎません。本当のゴールは購入率を高め、売上を伸ばすこと。
その意味で、ページスピードは“技術課題”ではなく、売上に直結するマーケティング戦略の一部として捉えるべきです。
ページが遅いと「離脱」だけでなく「購入意欲」も失われる
Googleの調査では、表示が1秒遅れるごとにコンバージョン率が大きく下がることが示されています。
特にECの場合は「欲しい」と思った瞬間に商品ページにアクセスできるかどうかが決定的。わずかな遅延でもユーザーは購入モードから冷めてしまいます。
つまりページスピードは、集客したユーザーを確実に顧客化するための売上防衛策なのです。
JavaScriptに依存するECの落とし穴
ECサイトは、レコメンド、ランキング、カート連動などJavaScriptを多用しがちです。確かに機能性は高まりますが、その分だけレンダリング負荷が増し、LCP(最大視覚コンテンツの描画時間)を押し下げてしまうケースが目立ちます。
「機能を盛ること=売上強化」と思い込みがちですが、実際にはスピード低下が売上機会を奪っている可能性もあるのです。
Core Web Vitalsを超えて「売上インパクト」で考える
Core Web Vitalsの数値を追うことは大切ですが、それ自体をゴールにしてはいけません。
重要なのは「改善によってどれだけ売上に貢献するか」。
- ページ速度改善前後でCVRがどう変わったか
- モバイルユーザーの離脱率がどう下がったか
- ページ滞在時間やカート投入率がどう伸びたか
これらをモニタリングすることで、単なる“技術改善”を超えた“売上戦略”へと進化させることができます。
スピード改善は“待ったなし”の経営課題
スピード改善は「開発チームの仕事」と捉えるのではなく、経営視点で投資すべきテーマです。
広告費をかけて集客する前に、サイトの速度で売上を逃していないかを確認してください。
ページスピードは、単なるUXの話ではなく、ECの収益最大化に直結する戦略の武器なのです。

- 執筆者:西部俊宏
- 株式会社Webの間代表取締役。上場企業でのSEOやWebサイト構築実績多数。ECサイトのカスタマイズ経験も多数あり。
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