Speed Index が伸びない理由|“画面が埋まらないサイト”の共通点とは?

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Speed Index は「画面がどれだけ早く埋まるか」を示す指標です。
LCP と違い “最初に見える範囲がどれだけ早く形になるか” を評価するため、画像の置き方・読み込み順・レイアウト構造 がスコアに直結します。

今回は Speed Index が伸びないサイトに共通する原因と、改善のための具体的な考え方を解説します。

Speed Index が悪化する最も一般的なパターン

Speed Index が良くならないサイトには、次のような特徴があります。

ファーストビューに不要な画像が多い
カルーセル、装飾画像、SNS埋め込みなど、ユーザーがスクロールするまで見ない要素が初期読み込み対象になっているケースです。 視認できない画像を最初から読み込むと、“画面が埋まるスピード” がどうしても遅くなります。
背景画像がファーストビューを占めている
背景画像が悪いわけではありませんが、background-image は IMG より後回しで読み込まれるため、ファーストビューを背景画像で構成すると画面がなかなか描画されません。 背景画像は以下のような使い分けが必要です。
  • ファーストビュー → IMG を使用(fetchpriority=”high” を推奨)
  • それ以外 → 背景画像を検討(自然と遅延効果がある)
レイアウトが複雑すぎる
DOM が不要に入れ子になっていたり、カルーセルやタブ UI の初期化が遅れて画面描画を妨げるケースです。
  • 位置計算
  • サイズ計算
  • レイアウトシフト抑制処理
これらが描画前に走り、結果として画面が埋まらない状態が続きます。
CSS が画面表示をブロックしている
Speed Index は FCP(最初の描画)にも影響するため、 CSS の読み込み順や外部ファイル数も重要です。
  • 不要な CSS が多い
  • 全ページ共通の巨大 CSS を読み込んでいる
  • レンダリングブロックが多い
こうした構成は Speed Index の足を引っ張ります。

Speed Index を高めるための設計思想

Speed Index は “何を先に見せるか” の問題です。
改善するには次の3点だけ意識すれば大枠は整います。

1. ファーストビューは最短で「形」が見える構成にする
Speed Index は “きれいに見える” かではなく 形が出る速さ を評価します。
  • 背景色
  • 最低限のテキスト
  • 1枚のメイン画像
この3つで “画面が完成したように見える” 状況を最優先に設計します。
2. ファーストビューに読み込む画像は厳選
“あると良い” 画像ではなく、 “ないと困る” 画像だけを初期読み込みに含めます。
  • 推奨構成:
    main visual → IMG + fetchpriority=”high”
  • サブ画像 → loading=”lazy”
    装飾画像 → CSS background(自然に後回し)
3. それ以外は後回しにしてよい
Speed Index はファーストビューが埋まる速さが評価対象です。
  • スクロールしないと見えない画像
  • 初期表示に必要ない JavaScript
  • タブ・アコーディオンの UI
  • SNS の埋め込み
これらは後回しにしても Speed Index に問題ありません。むしろ後回しにしたほうが快適です。

Speed Index を改善するための実装方針

Speed Index は “画面が見えるまでの速度” を評価するため、
改善のポイントは 「最初の描画をどれだけ軽くできるか」 に集約されます。

以下は特に効果が高い施策です。

ファーストビューを IMG 主体で構成する
初期描画の優先順位は IMG の方が高いため、メインビジュアルの画像は IMG + fetchpriority=”high” を採用します。 背景画像は fold 後(スクロール後)の利用が適しています。
初期描画に不要な画像を読み込まない
カルーセルの2枚目以降、サブビジュアル、装飾画像など、“なくても困らない画像” を初期読み込みに含めない設計が重要です。 loading=”lazy” や遅延スクリプトで後回しにできます。
CSS は「描画に必要な範囲」だけ先に読み込む
巨大なCSSを1つにまとめていると、最初の描画が遅くなり Speed Index を圧迫します。 critical CSS(初期表示に必要なスタイル)だけインライン化し、残りは遅延読み込みにすることで改善が期待できます。
JavaScript が描画をブロックしないようにする
初期描画前に動く JavaScript があると、画面が出るまでの時間が延びます。 不要なスクリプトは defer / async を利用し、UI 制御系は初回描画後に初期化します。
DOM(HTML構造)を必要最低限に保つ
入れ子の多い複雑なレイアウトはブラウザの計算量を増やし、描画開始が遅れます。 Speed Index 改善には HTML の簡素化が最も効きます。

Speed Index を改善するなら“初期描画”にすべてを寄せる

Speed Index は単に“速くする”のではなく、ユーザーが画面を認識できるタイミングを早める指標です。

ファーストビューの構成、画像の扱い、CSS/JavaScript の読み込み順を意識して設計するだけでも、数値は大きく改善します。

西部俊宏
執筆者:西部俊宏
株式会社Webの間代表取締役。上場企業でのSEOやWebサイト構築実績多数。ECサイトのカスタマイズ経験も多数あり。
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