Speed Indexとは?“画面の埋まり方”が評価される理由と本当の改善方針
SEOPageSpeed Insights(PSI)で診断すると、「Speed Index」の数値が悪い──という状況に出会うことがあります。
ただ一般的には、LCP・INPほど語られることは多くありません。理由は単純で、次のような背景があるからです。
- 改善要因がコードに直結しにくい
- Googleの公式説明が抽象的
- 現場の“体感”と必ずしも一致しない
本記事では、Speed Index(SI)の意味・悪化要因・改善の方向性を実務者目線で分解して整理します。
Speed Indexとは「どれだけ早く画面が“埋まった”か」を示す指標
Speed Indexは “画面の表示進行がどれぐらい速いか” を数値化したものです。
LCPが「最大要素が表示されるタイミング」なのに対し、Speed Indexは「画面全体がどれだけ早く視覚的に構成されたか」を評価します。
- スケルトンスクリーン
- プレースホルダー
- プログレッシブ画像
- 初期テキストの先出し
といった “視覚的フィードバックの設計” に大きく影響される指標です。
GoogleがSpeed Indexを重視する理由はシンプルです。
ユーザーがページのすべてを読み込むのを待っているわけではありません。
“何か見え始めた瞬間から安心し、離脱が減る”
という行動特性が実際にあるからです。
Speed Indexが悪化しやすい典型的な要因
Speed Indexは「画面の埋まり方」を見るため、LCPとは違う“誤解されやすい悪化ポイント”があります。
代表的には以下です。
- 画像の読み込み順序が悪い
- 最初に出したい画像より、別の画像が先にダウンロードされているケースです。 特に複数のスライダーや背景画像は優先順位が分散しがちです。
- CSSが肥大化して初期描画をブロック
- CSSはJavaScript以上に描画を止めます。 未使用CSSが多いほど Speed Index は低下します。
- JavaScriptが初期表示に割り込む
- スライダーやフェードインなど「最初の一瞬に不要」な処理が画面構築の邪魔をすることがあります。
- ページ内の画像をすべて初期読み込みする
- ファーストビューで表示しない画像を読み込むことはSpeed Indexに響きます。
- 大きなコンポーネントが後から描画される
- ニュース一覧・カード型UIなどが「まとめて後から」レンダリングされる場合、画面が“なかなか埋まらない”状態になります。
Speed Index は「ズレた読み込み順序」がよく原因になります。
LCPとは別の改善アプローチが必要です。
PageSpeed InsightsでSpeed Indexを見るときの“ポイント”
PSIの「診断」では多くの場合、次の項目が出てきます。
- レンダリングを妨げるリソース
- 使用していないCSS
- JavaScriptの初期実行
- 次世代フォーマットの未使用
- オフスクリーン画像の遅延読み込み
Speed Indexの改善で最も重要なのは 初期描画リソースの整理 です。
- ファーストビューのHTML構造(軽さ)
- 最初に読み込むCSSの精度
- 優先度の高い画像の選定
- 不要なJavaScriptの初期実行禁止
具体的にはこれらがSpeed Indexをまっすぐ改善するポイントです。
Speed Indexを改善するための“方向性”だけ押さえれば十分
Speed Indexは、LCPやINPのように「ここを直せば絶対改善する」という単純な構造ではありません。
実務で見るべき方向性は、次の3つだけです。
- 初期描画リソースを最小にする
- CSSのインライン化・ネスト活用・整理、JavaScriptの遅延化、背景画像の乱用を避ける。
- 読み込み順序を制御する
- 優先画像の明示(fetchpriority=”high”)、スライダーなどのJavaScriptはLCP後に動かす。
- 見た目が早く見える構造にする
- 画面が埋まる順序を整える。 枠・テキストなど“即時表示可能なもの”を先に見せる。
Speed Indexは技術指標というより、“第一印象の設計” に近いものです。

- 執筆者:西部俊宏
- 株式会社Webの間代表取締役。上場企業でのSEOやWebサイト構築実績多数。ECサイトのカスタマイズ経験も多数あり。
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