PageSpeed Insightsのスコアを追いかけるべきか?|改善優先順位の考え方
Search ConsolePageSpeed Insights(PSI)で90点を超えると安心します。80点台だと少し気になり100点を目指したくなります。しかし、本当にそこまで追う必要があるのでしょうか。
今回は、PSIスコアの追い方と、Search Consoleとの関係を整理します。
PSIは「改善ツール」であって「評価結果」ではない
まず前提として整理すべきことがあります。
PSIは、改善のための診断ツールです。
- ラボデータ(Lighthouse)
- 擬似的なモバイル環境
- 一定条件下での再現テスト
つまり「理想環境での模擬試験」です。一方で、Search Consoleは実際のユーザー体験の統計値です。
この違いを無視すると、「PSIは95点なのに不良判定」「PSIは70点でも良好判定」という現象が起きます。
では90点以上なら十分なのか?
多くの現場では「90点以上=合格」と考えられがちです。しかし、重要なのは点数そのものではなく、どの指標で点数を落としているのか です。
Lighthouseの重み付けは以下のようになっています。
- Largest Contentful Paint(25%)
- Total Blocking Time(30%)
- Cumulative Layout Shift(25%)
- First Contentful Paint(10%)
- Speed Index(10%)
ここで注目すべきは、Total Blocking Timeの比重が最も大きい という点です。つまり、スコアは単純な平均ではなく、「操作の詰まり(TBT)」を強く反映する設計になっています。
- LCPが課題でも他が良ければ、点数は一定水準を保つ
- TBTが課題の場合、他が良くても評価は伸びにくい
という構造になります。
ここで重要なのは、点数は“どの体験を重視しているか”の設計思想が反映された結果である ということです。
スコアだけを見ると改善の方向性を誤ります。本当に見るべきなのは、「表示の遅さ」なのか「操作の詰まり」なのかという中身です。
100点を目指すことの落とし穴
100点を狙う過程で、よく起こる現象があります。
- 表現を削る
- JavaScriptを極端に減らす
- 動画やアニメーションを排除する
- ブランド性を弱める
確かに点数は伸びるかもしれません。しかし、それは本当に目的でしょうか。ECサイトやブランディングサイトでは、世界観や訴求力も重要です。表示速度は重要ですが、速さだけが価値ではありません。
Search Consoleを基準にすべきか?
では、Search Consoleだけを見ればよいのでしょうか?
それも違います。Search Consoleは28日間の実測データです。改善しても、すぐには反映されません。しかもURLグループ単位で評価されます。
- PSIで改善点を特定する
- 実装する
- しばらく待つ
- Search Consoleで実測確認する
この改善の繰り返しです。
PageSpeed Insightsの考え方
PSIスコアの追い方として、現実的なのは次の基準です。
- モバイルで80〜90点以上
- LCPが2.5秒以内
- TBTが200ms未満
- CLSが0.1未満
この水準を安定して維持できていれば、過度に100点へ固執する必要はありません。重要なのは、不良判定を回避する水準を安定的に保つことです。
点数よりも“傾向”を見る
単発の計測結果よりも重要なのは、傾向です。
- スコアが安定しているか
- 急落していないか
- 更新後に悪化していないか
PSIは「診断レーダー」、Search Consoleは「実績レポート」です。この2つを役割分担させることが重要です。
PSIは100点を競うためのツールではありません。改善ポイントを可視化するためのものです。そして、Search Consoleは実際のユーザー体験の集計結果です。
どちらか一方に偏るのではなく、PSIで原因を特定しSearch Consoleで成果を確認する。この循環が正しい使い方と考えます。

- 執筆者:西部俊宏
- 株式会社Webの間代表取締役。上場企業でのSEOやWebサイト構築実績多数。ECサイトのカスタマイズ経験も多数あり。
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