スマホで遅く感じる本当の理由|表示速度を狂わせる“モバイル回線の不安定さ”

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「スマホだと表示が遅い気がする」
PageSpeed Insights を確認すると、PCでは問題ないのに、モバイルだけスコアが伸びない。こうした相談は珍しくありません。

多くの場合、真っ先に疑われるのがモバイル回線の遅さです。しかし実際には、「回線が遅い」ことそのものが原因になっているケースは、思っているほど多くないのではないでしょうか。

本記事では、なぜスマホだけ遅く“感じる”のか、その出発点となる「モバイル回線の特性」から整理します。

モバイル回線は「低速」ではない

4G や 5G といったモバイル回線は、理論上の最大速度だけを見れば、固定回線と遜色ない数値が出ることもあります。

それでも体感としては、以下のような事象が発生しやすいです。

  • 読み込みが止まる
  • 一瞬白くなる
  • 表示が揃わない

この原因は、「速度」ではなく 回線の性質 にあります。

問題は帯域ではなく「揺らぎ」

モバイル回線の最大の特徴は、常に状況が変わることです。

  • 電波状況が刻々と変化する
  • 基地局の混雑状況に左右される
  • 移動しながら通信している

その結果、通信は次のような状態になります。

  • レイテンシ(RTT)が安定しない
  • パケットロスが発生しやすい
  • 再送が起きやすい

つまり、「速いときもあるが、止まりやすい」、この「揺らぎ」がスマホ特有の体感の悪さを生みます。

「待たされ方」が体感速度を決める

ページ表示において重要なのは、どれくらい待たされたか ではなく、どう待たされたか です。

例えば、以下のような場合。

  1. 0.5秒で一気に表示される
  2. 2秒かけて徐々に表示される

後者のほうが「遅く感じる」ことが多いのは直感的にも理解しやすいでしょう。

モバイル回線では、以下のような中途半端な状態が発生しやすくなります。

  • HTML は来た
  • CSS も一部来た
  • 画像や JavaScript が途中で詰まる

これが、Speed Index や LCP の体感を悪化させます。

PCと同じLCPでも、スマホは遅く感じる理由

PageSpeed Insights で以下のような場合があったとします。

  • PC:LCP 2.5秒
  • モバイル:LCP 2.6秒

数値はほぼ同じでも、体感はまったく違う。これは珍しいことではありません。理由は単純で、表示の途中経過が違うからです。

PCでは、次のような場合は結果として、「何も出ない → 一気に出る」になりやすいです。

  • 通信が安定している
  • CPUにも余裕がある

一方スマホでは、次のような結果、「出かける → 止まる → 少し出る → また止まる」という状態になりがちです。

  • 回線が揺れる
  • 処理が追いつかない

この「引っかかり」が、体感速度を大きく下げます。

Speed Indexに影響する“見た目が出ない時間”

Speed Index は、「ページがどれくらい早く視覚的に完成していくか」を評価する指標です。

モバイル回線では、次の項目が同時に読み込まれると、肝心の見た目が出るまでの時間 が引き延ばされます。

  • ファーストビュー外の画像
  • すぐに不要な JavaScript
  • 初期描画に関係ない CSS

回線が不安定な環境では、「全部を同時に読み込む」構成ほど不利になります。

モバイル対策は「回線対策」では終わらない

ここまで見ると、「モバイル回線が不安定だから仕方ない」と思いたくなりますが、実際はそうではありません。

モバイル回線の特性を前提に、以下を設計できているかどうかで、体感は大きく変わります。

  • 何を最初に見せるか
  • 何を後回しにするか
  • どこで通信を切り分けるか

重要なのは、「速くする」ことではなく「詰まらせない」ことと言えます。スマホでの体感速度は、理論値よりも“流れが止まらないこと”で決まると考えます。

[参考文献]
・Google / web.dev「モバイルパフォーマンスに関する解説記事」
・Chrome Developers「JavaScript 実行コストとモバイル性能に関するドキュメント」

西部俊宏
執筆者:西部俊宏
株式会社Webの間代表取締役。上場企業でのSEOやWebサイト構築実績多数。ECサイトのカスタマイズ経験も多数あり。
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